チョコレート嚢腫は、症状によって手術しないといけないケースが出てきます。
万が一、手術となると、どのようなことをするのか不安でいっぱいになってしまいますから、事前に行われる手術方法を知っておいた方が良いでしょう。
チョコレート嚢腫で使用される手術方法は、「病巣までのアプローチ」の方法によって次の2種類があります。開腹手術と腹腔鏡手術です。
・開腹手術
開腹手術は、チョコレート嚢腫に影響されている臓器を全て摘出してしまうという手術方法です。場合によっては、卵巣や子宮を摘出しないといけなくなるので、子供を産むことができなくなります。でも、開腹手術を行うということは、非常に状態が悪いということでもありますから、手術をせずに放置してしまうのは大変危険です。
・腹腔鏡手術
一方、腹腔鏡手術とは、ヘソの下と卵巣両側の3箇所に2センチほどの穴を開けて、腹腔鏡で手術を行う方法で、癒着部分の剥離や嚢腫だけの除去を目的として行われます。この腹腔鏡手術のメリットは、1週間程度しか入院する必要がないという点です。ただし、再発するリスクがありますので、気付いたらまたチョコレート嚢腫を発症しているということもあります。
以上の2つがチョコレート嚢腫で使用される手術療法です。
最近の傾向としては、圧倒的に腹腔鏡手術を受けられる方が多くなっているようです。その要因として考えられるのは、やはり内膜症の患者さんは若い方が多く、妊娠を希望される方が多いからでしょう。妊娠を希望されている患者さんに対して、子宮や卵巣を全部取るわけにはいきませんからね。
また傷跡が目立たないという利点もありますから、このような美容的理由が、腹腔鏡手術が今日中心的な手法になっている要因の一つとして考えられています。
