今注目されている不妊治療の中に、鍼灸治療というものがあります。
「いまどき鍼灸?」と疑問に思われる方もいるかと思いますが、鍼灸は不妊症の体質改善には非常に高い効果があるといわれています。
また、副作用のない東洋医学の治療で、妊娠前後でも全く問題なく行えることから今注目されているようです。
鍼灸とは、腎、肝、脾が月経、妊娠などと関係する臓器とされているため、これらの臓器を整えるツボを、はりや灸を使って刺激していきます。
以前にもお書きしましたが、体の冷えが不妊の原因となっているケースが非常に多くあって、不妊で悩んでいる方の多くは手足が冷えたり、お腹が冷えています。
体が冷えると熱を逃がさないように血管が収縮して血流が悪くなり、酸素や栄養がうまく送られなくなって内臓の働きやホルモンバランスが崩れてしまいます。
はりやお灸をすると筋肉のコリや内臓の硬さが緩んで、血管も拡がって血流が良くなり結果的に冷えによる内臓の機能低下やホルモンバランスの崩れなどが改善されていきます。
また、それぞれの内臓に関係する神経は脳から背骨の中を通って各臓器に走行しています。
ですから、子宮や卵巣などと関係する神経の流れを良くするような治療、すなわち自律神経の中枢である視床下部に対してはり治療をすることによって、視床下部から脳下垂体、卵巣と刺激が伝わってホルモン分泌が非常に高まります。
また、鍼灸そのものが不妊治療に有効であるというデータもあります。
例えば、ドイツでは鍼を行なわなかった組では13.8%、行なった組では28.4%の妊娠率で、鍼治療組の妊娠率が高くなったなどがあります。
鍼灸治療法は、副作用もなく、効果があったという声が多数あることから、今最も効果な不妊治療法として注目を集めているのではないでしょうか。
